古書買取のお問い合わせでモチベーションが下がる時 モチベーションが下がるのは私の都合やプライドなんですけどね… 古書買取 古本見積 大山堂書店 ザッツニュース
古書買取のお問い合わせでモチベーションが下がる時
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2014-04-11 大山堂書店
モチベーションが下がるのは私の都合やプライドなんですけどね…
お客様から古本見積、古書買取のお問い合わせをありがたくいただくのですが、
たまに、こちらのモチベーションが下がってしまうお問い合わせがあります。
「○○全集揃い。一番高く見積もってくれたところに売りたい」
などと、古書店に一斉送信されるお客様がたまにいます。
相見積もりをとることは否定しませんが、保管状態(経年感や書き込み等)もわからず値段を付けるほど価値のある全集などそうそうありません。相見積もりされていることを面倒くさいと感じ、「今回は見送らせてもらいます」と断る書店は少なくないでしょう。
次に、
「祖母が大切に使っていた専門的な事典で、その当時貧乏で家具は売ってもその本は売らないという…(中略)…そんな祖母との思い出が詰まったこの本がいくらになるのかと…」
思い入れのある本は買い取りづらいです。というか、そもそもそんな大事なら売らなければいいのに…(笑)
大切に使っていたとしても、使っていたということは手の油が付き、経年感が出てしまっていると想像されます。
辞書や事典類は基本的に新版が出るたびに価値がなくなっていきますので、やはり「今回は見送らせていただきます」となるのです。
最後に、これも古書見積メールの時にあまりやってほしくない事例なのですが、例えば
「仏教書の○○大蔵経を高価買取してくれる古書店を探しています。現在、オンデマンド版の簡易装丁が出版されていますが、現在では入手できない昔の堅牢の装丁の版ですので棚にも栄えると思います。内容的に原始仏教経典を網羅していますし、価値が高い書籍ですので、見積もり価格を教えてください」
というようなメール。
これって、思いっきり【売込み】ですよね(笑)
この○○大蔵経という全集は古い版でもよく市場に出てくるんです。供給量が多くて全然珍しくもないわけで、うちにも数セット在庫があるといった状態でした。
お客様の思い込みというか思い入れによって「現在では入手できない」とか「棚に栄える」、「原始仏教経典を網羅しているから価値が高いだろう」などという主観が、古本見積をする私どもの琴線に触れることがあるものです。
「入手できないって?」「どの棚に栄えるんだよ?(在庫いっぱいだし)」「原始仏教の経典を網羅しているのはこの本だけじゃないし、価値はこっちでもすぐ判断できるんですよ」という反感というか古書店のプライドが顔を出すのです(苦笑)
ご自分の持っている書籍を高がって高価買取を期待するのに反比例して、こっちのモチベーションが下がっていくかのようなのです。
とあるお医者さんが「患者さんが勝手に自分の病気を決めて、医者の私も知らないであろう特別な病気だと思ってしまうことがある」と自分の症状を高く格付けしようとする患者さんに辟易するというのを聞いたことがありますが、そのお医者さんの気持ちがわかるような気がするのです。一瞬、バカにされているのかな?と思ってしまうところがプライドなのかもしれません。
ただ、私も含め古書業界の人が、古書の目利きに対する自信や流通させることの使命を持つことは必要なことですが、それをお客様に振りかざしたり、上から目線で接したりすることはたいして意味がなく、どんなお問い合わせにも丁寧に、お客様は「(古書買取価格に対して)疑心暗鬼になっていて当たり前だ」くらいな距離感で接してちょうどいいような気がしています。
古書って内容的価値と流通的価値と乖離があることが多いのですよね。流通的価値に重きを置いている古書業界の視点と、本の内容や思い出に価値を置いているお客様の視点とをどのように「古書買取価格」として形に表すか…。
そこが古書業界の醍醐味の一つなのだと思います。
お問い合わせにいつも成長させていただき、また説明責任の必要性を痛感しています。
次はあなたにぜひお問い合わせをいただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
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もし、古本見積、古書買取のご用命がございましたら、
どんなお問い合わせにも誠心誠意お応えする大山堂書店までご連絡ください。
フリーダイヤル 0120-645-410
(大山堂書店古本見積・古書買取専用連絡先)
http://taizandou.com
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古書店のつける買い取り価格を信用してもらわないと始まらない…
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