古書買取人までのストーリー。仕組まれた試練その10 これはある古書店で行われているフィクションの修業物語 古書買取 古本見積 大山堂書店

これはある古書店で行われているフィクションの修業物語

≪修業のひと段落(前半)≫

易占に関する書籍を売りたいと若い女性から連絡があり、若い店員が一人、車で古書買取に向かった。

若い女性の部屋に入ることを緊張した若い店員は白い手袋をして古本査定をし始めた。

「ずいぶんと占いに関する書籍が多いですが、占いを生業としているのですか?」

「はい、占星術や手相もできます。でもどうやらもう手放したほうがよいと占いに出まして・・・」

「すごいっすね。自分のことも占えるわけですか。俺のことも占ってくださいよ」

ドキドキしているのは女性の部屋で査定しているだけではなく、目の前の女性が好みだからであろう。

若い店員は顔を赤くしながらも必死に話せるキッカケを模索していった。

「すみません。調子に乗り過ぎました。占いはお金を払って見てもらうものでしたよね」

「それでは古本査定が終わってから見ましょうか?生年月日と氏名をここに書いておいてくださいね」

ん?つまり査定金額が占い代より高くならなければ赤字ということだろうか?
若い店員は手袋をし直し、古書買取対象となる書籍を本棚から取り出し始めた。

本棚の上に何か古い封筒のようなものに本が入っている。

おそらく彼女の背の高さだと見えなかったに違いない。

「何でしょうね、これ」

「さぁ?開けてみてください」

封筒の中から出てきたのは四柱推命学に関する古い書籍だった。

「あ!この本、師匠からいただいていたものだわ。ずっと見当たらなかったので、師匠に謝ったら
『運命の時に現れるから心配しないで』と言われていたんだっけ…」

とても大切な本なのだろう、彼女は食い入るように読んでいるので、若い店員は仕分けと査定を黙々と続けた。

もうそろそろ作業が終わるというところで、彼女が

「ああ!なんてことなの!」と感嘆の声を漏らした。

手には若い店員が書いた生年月日と氏名のメモが握られている。

「あの~古本見積が終わりましたけど…」

おそるおそる声をかけてみると、彼女はうつむいたままつぶやいた。

「うらない…」

「……」

え?この期に及んで書籍を売らないということなのだろうか?

「その~どういう意味でしょうか?」

「あ!ごめんなさい。この師匠からの本を頼りに改めて卦を構成していったらビックリしたもので…」

「……」

この世界にどう入っていったらよいのだろうか?若い店員はドアのほうに後ずさりし始めた。

「無理して手放さなくてよろしいですよ。それに体調がよろしくないなのでしたらこれで失礼しますし…」

「あら、帰ってしまうの?そんな…。
でも、今は何を話したらよいかわからないわ。
そうね、また改めていただくってことはできますか?」

「は、はい」

こんな不思議ちゃんに次も付き合えるか自信がないのだが、店長から
「お客様はどこでどのようにつながっているかわからないものだから、大切にしなさい」
といつも言われているだけに、次回の約束をして帰ることにした。


帰ってから事のあらましを店長に話した。

「参りましたよ。見積に行って金額も言わないうちに『うらない』って…」

「そうか・・・その時、彼女は何をしとった?」

「四柱推命・五行陰陽の本をもとに、占星術などの書をひっぱり
出してきて何やら占っていたような…」

「そうじゃろ。よっぽどの卦や相が出ていたのじゃろう、『占い』で…」

「え?そういうこと?」

「どれ?次回はわしも一緒にいってやろう。こう見えても易には詳しいからの」

店長は買い取る本の利『益』にも詳しいが『易』にも詳しかったとは。

若い店員は店長の頼もしい申し出をありがたく受けることにした。

まさか、この古書買取現場まで仕組まれているとはこの時は気付かずに…。


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この古書買取人のシリーズは次回で連載を終了します。

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