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ジョン・タイターって知っていますか?

お客様からお問合せいただく内容で、本の状態というのはよくあるのですが、たまに、本の内容を聞かれることがあります。

「第二章に、作者の詩が載っているのですが、その詩を教えてください」

「あの舞台は何県でしたっけ?主人公の職業は?」

など、コンピュータの検索では出てこなかったのでしょうね。私に調べろと要求してきます。
あきらかにお買上の意志がなく、情報だけを知りたがっているお問合せには、
「内容に関するお問い合わせにはお応えできないのです」と断るようにしているのですが、「内容じゃなくて、コンテンツが含まれていたら買おうと思っているんだから教えなさい」という微妙なお問い合わせもあります。
教えた途端、電話を切られるなんてこともありました。



もう10年以上も前の話です。こんな不思議なお問い合わせがあったのでした。

「すみません、西洋思想家事典で【ジョン・タイター】は載っていますか?」

「は?当店にある20世紀思想家事典でですか?」

「どの事典でもいいのですが、載っているものがあれば・・・」

「ちょっとお待ちください。見てきます」

買ってくれるかもしれないと思ってジョン・タイターを調べました。さ行のし、多くのジョンの中にジョン・タイターを見つけることができました。

「載っていましたよ」

「そうですか、それは良かった・・・」
と言ったきり、電話は切れて「プープープー」と無機質な音だけが耳に残りました。


ん? 何が「良かった」のだ?


それからというものジョン・タイター(John Titor) が気になってしまって調べてみました。

ご存知の方もいることでしょう。2036年の未来からきたというタイムトラベラーなのです。

2000年にアメリカの大手ネット掲示板やチャットのやりとりにおいて、タイムトラベルの理論や自身のいた未来に関する状況、未来人である証拠などを提示し、一部、未来に関する予言もしていきました。

ただし、タイターがタイムトラベルして、さらに掲示板に書き込んだことによって、世界線が2度以上変わってしまったから、同じ線上の未来はたどらないだろうと【パラレルワールド】の理論を使っていました。これらの思想はまるっきりでっち上げとは否定できず、いまだに論争が起こっているくらいです。

今、私達のいる世界線上にはすでにジョン・タイターが存在していることになっています。

ジョンタイターがどれほどこの世界に影響を及ぼしたかを確かめるために、別のタイムトラベラーがこの世界線上にきていたとしたら・・・。

そういえば、先の電話の声の主はどことなくデジタル的な声だったような気がするのです(笑)


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本の内容を聞かれたのかと思ったら、世界の内容を聞かれてたよ…

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