東京ろまん建築巡礼 銀座・ボルドー(BORDEAUX) 東京・銀座の路地裏の一角に 東京 建築 ザッツニュース
東京ろまん建築巡礼 銀座・ボルドー(BORDEAUX)
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2014-06-25 建築案内人
東京・銀座の路地裏の一角に
東京・銀座の中でも高級飲食店が立ち並ぶ銀座八丁目。高速道路の走るすぐ近くに、一風変わった建物があります。
蔦のからまる瀟洒な洋風建築です。外見からは何の建物かは一見判りません。まるでおとぎ話に出てくるような風貌です。
ここは東京の歴史を超えて息づく老舗のバーです。かの山本五十六(やまもと いそろく、1884 - 1943年海軍軍人)もグラスを傾けた席が今でも残っているそう。
かつては会員制だったそうで現在でも利用者は50歳代以上の方多いとのこと。第二次大戦の戦火にも耐え、1927(昭和2)年に開店した往時の姿を保持している。
栄華を極めた時代の東京を映し出す建築物
この建物は2階建て。中は吹き抜けになっているとのこと。
取材に伺ったのは早朝なので、通勤する人もおらず閑散としています。ですから残念ながらお店の中で一献傾けることはできませんでしたが、山本五十六が愛好していた席は2階にあるとのことです。
第2次大戦前の銀座のバーは華やかなりし時代でした。華族や旧財閥出身者をはじめとした上流階級紳士の社交場としてこの店は大きな役割を担っていました。つい数年前までは「一見さんお断り」の店だったそうです。今では時代の変化を受け、広く門戸を開くことになりました。けれども多くの文化人などが今でも多く集います。
福沢諭吉が創立した日本最古の会員制高級社交クラブ「交詢社(こうじゅんしゃ)」のメンバーも多く来店するとか。
建築家・奥田謙次が贅を極めて設計
この建物は名古屋の資産家の子息の奥田謙次が内装を含めて設計を手がけました。家具などは外国のものや、日本の豪華客船で使われていたものを買いつけたようで、そのため、テーブルとイスが場所によって一つ一つデザインが違いっています。
白洲次郎(1902 - 1985年 官僚、実業家)もこの店の常連だったそうですが、氏はこの暖炉の前の長イス(外国の修道院のもの)を好んだそうです。
〈メモ〉
銀座 オーセンティックバー「BORDEAUX(ボルドー)」
東京都中央区銀座8-10-7
JR新橋駅より徒歩4分
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