世界三大映画祭って?
現地時間の8月29日から、第69回ヴェネチア国際映画祭が開幕されました。ヴェネチア映画祭といえば、カンヌ国際映画祭、ベルリン国際映画祭と並ぶ世界三大映画祭のひとつで、世界最古の歴史をもつ映画祭です。
そのヴェネチア国際映画祭の歴史をすこし振り返ってみましょう。始まりは1932年、市の観光振興、町起こしの一環としてビエンナーレ現代美術展の「ヴェネチア映画芸術国際展」として開幕しました。毎年8月末から9月はじめに開催され、審査員に多くの監督を配しているのも特色で国際映画祭としては高い評価を得ています。
北野武監督の『アウトレイジ ビヨンド』出品
今年は最高賞の金獅子賞を競うコンペティション部門に、北野武監督の『アウトレイジ ビヨンド』が出品されました。社会の裏側に視点を向けたこの映画がどう評価されるかが気になるところです。主要賞の発表は9月8日の授賞式になりますが、北野監督のコメントやパフォーマンスにも注目したいところです。日本からは他に、特別招待部門に黒澤清監督の『贖罪(しょくざい)』、併設のオリゾンティ部門では若松孝二監督の『千年の愉楽』がすでに上映されています。
この映画祭では世界各国から100本近くの作品が上映され、一般客も観ることができるそうです。金獅子賞のほかには監督に与えられる銀獅子賞、審査員特別賞、ヴォルピ杯(男優・女優賞)、マルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)、などがあります。北野監督は97年に『HANA-BI』で金獅子賞を受賞していて、縁の深い映画祭といえそうです。
華やかに開催
1日に日本初のカラー長編劇映画とされる木下恵介監督の『カルメン故郷に帰る』(1951年)が上映され、映画史上の名作としてクラシック部門の19本に選ばれました。この映画は戦後の日本映画界を支えた高峰秀子さんが演じるストリッパーが故郷に帰り騒動を巻き起こすという喜劇です。日本映画に詳しいアミール・ナデリ監督はこの作品を、「今見ても新鮮」と紹介。今回は初披露で、日本では11月以降に上映が予定されています。
世界が認めた映画とはどんな作品なのでしょうか。世界中から注目される映画祭だけに結果が楽しみなところです。力量ある俳優陣の競演なども、見どころが満載です。
ヴェネチア映画祭について
ヴェネチア 映画