二十四節気 立春
立春 (1月節)
春の気たつを以て也(こよみ便覧)
2月4日ごろ
二十四節気の最初の節である「立春」。旧暦では新しい年の初まりの目安になるのが立春です。春がたつ・・・と言えど、関東はうっすら雪化粧となりました。暦の上では春ですが、まだまだ寒い日が続きます。それでもふと、小さな春の兆しを見つけると、春はもうすぐとうれしくなります。蝋梅(ロウバイ)や満作(マンサク)など、この時期に満開に咲く花も見られます。梅の花も咲きだし「春告げ鳥」ともよばれるうぐいすの第一声が聞こえるのももうすぐです。
立春の頃に食べるものが似ている不思議
薄く丸く焼いた小麦粉でつくられた食べ物とは?
中国や台湾など、新年を旧暦にしている国々では1月31日がお正月である「春節」でした。春節には、小麦粉を水で溶いて円形に薄く伸ばして焼いた春餅をお祝い食として頂くといいます。「春巻き」みたいなものと言えば分りやすいでしょう。
実はこの時期、フランスでも小麦粉を水で溶いて薄く焼く・・・そう!クレープを食べる日があるのです。
2月2日、聖燭節というキリストのお宮参りに当たるお祭りで、ローマ時代から伝わる春の陽光を祝うお祭りと習合したものとされています。このお祭りは「キャンドルの日」ともいい、ろうそくをたくさん灯してお祝いしますが、昔からその日に食べられてきたものがクレープなのです。
では、なぜクレープを食べるのでしょう?どうやら、丸くて黄金色のクレープは太陽と似ているから・・・というのが理由のようです。中国の春餅も、中国のクレープと言われている食べ物。もしかしたら、中国の春餅も似たような理由で食べられ続けてきたのかもしれません。「お祭り」などのハレの日の食べ物は、神様へのお供えでもあります。そう考えると、立春の頃に、太陽がますます活力を出せるようにと祈りを込めて捧げられた、太陽に似た食べ物を食べる風習がとても根源的な意味を持っているように感じませんか。
広大なユーラシア大陸の西と東でも、立春の頃のお祭りに食べるお祝いの食べ物が似ているなんて、意外な世界のつながりを感じた気がしました。
立春の頃に食べる太陽の形のものとは?
立春 食べる