円誕生、金本位制1円1ドルでスタートも早々の暴落 基本通貨「円」登場の経緯 円 暴落 ザッツニュース
円誕生、金本位制1円1ドルでスタートも早々の暴落
トップページへ
2012-06-13 経済ライター1号
基本通貨「円」登場の経緯
近代日本の基本通貨「円」は、1871年(明治4年)5月10日に明治政府公布の「新貨条例」で定められた。基本通貨の名称が円と決まった経緯に関する記録は、残っていない。が最も有力な説として伝えられているのは、財務担当参議だった大隈重信の、軽妙な発想である。条例決定も大詰めの時期大隈は、親指と人さし指をくっつけた丸を作り、「『これ』を示すとカネのことを意味する。万国共通だ。基本通貨の呼称は、“丸”もなんだから“円”にしようじゃないか」としたというのである。
円は1円1ドルでスタート
1円は1ドルの交換レートでスタートしている。何故か。明治政府は、「国際社会に打って出る」という意識を強力に持っていた。それゆえに、金本位制を導入したのである。国際社会の象徴として、米国を強く意識した。当時の1ドルの金の含有量は15グラムだった。明治政府は、「1円は純金15グラムとする」と決めた。こうして、1円1ドルのスタートとなったのである。
だが円は早々に暴落の過程に転じた
円はしかし早々に、暴落に転じた。外貨(ドル)を稼ぐこれといった輸出産業もなく、日本経済は輸入頼みで成り立っていく以外になかった。当然、貿易収支・経常収支とも赤字が年を追い膨らんだ。一方、西南戦争に代表されるように政局は不安定で、軍事費負担がかさんだ。政府は流通通貨を増量する以外になかった。インフレが起き、円は暴落へと転じていった。日清戦争勃発の1894年には、1円0・5079ドルまで暴落していた。
1円1ドルで始まり、早々に暴落に転じた基本通貨円のスタート
円 暴落
経済ライター1号の記事
円誕生、金本位制1円1ドルでスタートも早々の暴落