東京散歩 ~品川3つの塚めぐり~ 東京散歩 品川3つの塚めぐり①「鯨塚」 東京 散歩

東京散歩 品川3つの塚めぐり①「鯨塚」

東京散歩におすすめしたい「品川3つの塚めぐり」。
東京には「塚」と名のつく場所はたくさんあるが、その中でも品川の3つの塚は、比較的近場に固まっているので散歩に最適。

まず目指すは「鯨塚」。
京浜急行「北品川」駅下車後、東へ向かう。途中の旧東海道を再現した商店街は、見て歩くだけで楽しい。
やがて鯨のオブジェの立つ公園が見えてくるが、その後ろが「鯨塚」のある利田神社だ。
鯨塚は厳密にいうと、鯨碑のこと。
寛政10年(1798)5月1日、品川沖に大きな鯨が迷い込むという事件が起こる。鯨の体長は、記録によると九間一尺(約16.5メートル)、高さは六尺八寸(約2メートル)。
当時、流れ着いた巨大な鯨の噂は江戸中に広がり、かわら版も出回った。
第十一代将軍家斉(いえなり)も巨大鯨に興味を持ち、浜御殿(現在の浜離宮恩賜庭園)にて上覧したとか。
鯨碑は全国にもいくつか残るが、東京で現存するのは、ここだけだ。

東京散歩 ~品川3つの塚めぐり~ 東京散歩 品川3つの塚めぐり①「鯨塚」 東京 散歩

東京散歩 品川3つの塚めぐり②「包丁塚」

鯨塚から北品川駅の方へ戻り、新馬場駅へ向かう。
散歩をするには少し遠く感じる方は、一駅電車に乗るのもいいかもしれない。
新馬場駅からすぐ、品川神社が見える。
品川神社は文治3年(1187)、源頼朝が海上交通安全のために建立したとされる。
ここにあるのが「包丁塚」。
かつて宿場町として栄えた品川で、多くの魚や動物が包丁によって調理されたことから、昭和51年、品川区鮨商組合が、感謝と供養の気持ちを込めて「包丁塚」を建立したという。
現在の品川駅付近は高層ビルに囲まれ、宿場町の面影はほとんどない。
多くの料理人たちが、巧みな包丁さばきで旅人たちをもてなしてきた歴史が、こんなところに残っているのは面白い。


東京散歩 ~品川3つの塚めぐり~ 東京散歩 品川3つの塚めぐり①「鯨塚」 東京 散歩

東京散歩 品川3つの塚めぐり③「頭痛塚(首塚)」

さて、品川神社から第一京浜沿いに下ると、道路の両脇にお寺がいくつも見えてくる。
海蔵寺はその界隈の中にあるお寺。少し込み入った場所なので、地図で確認してから行きたいところ(南品川4-4-2)。
品川にあった溜牢(牢屋)で亡くなった人の遺骨を集めて、宝永5年(1708)に塚が作られた。
たくさんの無縁仏が、上へ上へと重なるように並んで立っている頭痛塚。この塚にお参りすると頭痛が治るという噂が広まって、頭痛塚と呼ばれるように。
さらに天保の大飢饉(1833~40頃)の被害者200人以上、品川宿の娼妓の大位牌や、鈴ヶ森刑場の首も一部合葬。海蔵寺が別名「投げ込み寺」ともいわれる理由だ。
また、首を葬ったことから「首塚」とも呼ばれる。

散歩には少し距離があるだろうか。今回の散歩コースは旧東海道を一部歩くので、江戸時代、多くの旅人が踏みしめた地を踏んでいると思うと、感慨深いものがある。
東京にはたくさんの散歩を楽しめる場所があるが、こうして何か自分の好きなテーマをしぼって歩いてみると、散歩がより楽しいものになるかもしれない。


東京散歩~品川3つの塚めぐり~

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