東京にある古墳 野毛大塚古墳
東京の古墳の多くは削られていたり、古墳の形が崩されてしまっているものが多いのが現状。
そんな中、比較的きれいに残っている野毛大塚古墳をご紹介したいと思います。
東京世田谷区にある野毛大塚古墳は、等々力渓谷のすぐ側に存在します。
渓谷の途中で案内看板が出ているので、そこから渓谷の外へ。そのまま真っ直ぐに5分ほど歩きますと、野毛大塚古墳が見えてきます。
野毛大塚古墳
周囲は公園になっており、園内に古墳をイメージしたようなオブジェもあります。
全長約82メートル、後円部の高さは約10メートルの帆立貝式の前方後円墳。墳丘の周囲には濠がほられており、周囲を含めると全長104メートルにもなります。
後円部頂上には4基の墓があり、それぞれの棺の中からは、甲冑や刀剣、武具類、鉄鎌、銅鐘、玉類や石造模造品などが発掘されました。
濠の中からは墳丘に立てられていたであろう埴輪や、祭事に用いられたらしい高杯や土師器も出土しています。
縁に配置されているのは、円筒埴輪と呼ばれる壺のようなもの。これは後世復元されたものです。
墳丘の頂上へは細い道がありますので、そこから登ることもできます。
東京の中にひっそりと
公園の中にいても、周囲の道路からひっきりなしに聞える車の音。頂上から周囲を見渡すと、大きなマンションが立ちふさがって、遠方を見わたすことはできません。
しかしこの丸い丘の頂上に立っていると不思議な気持ちになるのです。
周囲の東京の景色と、自分の今立っている古墳。ここだけ異空間で、自分が現実世界から乖離した場所にいるような気がしてくるのです。
おそらく生活の利便のために古墳を維持していくことは、これから難しくなってくるでしょう。
しかし一度壊したものは、もう戻りません。
これからも、野毛大塚古墳を大切にしていきたいと思うのです。
東京にある古墳
東京 古墳
東京にある古墳
全国でも最大級の前方後円墳。
都指定史跡。
東京世田谷区野毛1-25-1。