経営者・平清盛の失敗
ベストセラー「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」著者、公認会計士山田真哉氏の新刊である。
本書のサブタイトルは、会計士が書いた歴史と経済の教科書とある。
来年NHK大河ドラマ放送を控えて、「平家本」の出版ラッシュが続いているが、なかでも本書は特に異彩を放っている。
平清盛が経済的にどのような理由で失敗したのかを会計士ならではのユニークな視点で解説しているからだ。
さおだけ屋の著者が、会計士視点でひもとく平家滅亡の謎
NHKでコメンテーターとしての出演経験のある山田氏である。
特に、大河ドラマ 平清盛に関しては並々ならぬ深い思い入れがあるという。
一見、ライトな感じを受けるが、大量の文献をベースにしているだけあって内容は非常に濃い。
山田氏によると大学時代は日本史を専攻し、歴史研究者を目指したこともあるそうだ。
誰も書かなかった平家滅亡の「真相」を知れるだけでなく、経済や通貨の知識も身につく。
歴史ファンのみならず、ビジネスマンにもお勧めの一冊である。
会計士が書いた歴史と経済の教科書
会計士が書いた歴史と経済の教科書
著者 山田真哉
発行所 講談社
本体価格 ¥1,300 + 税
発売日 2011-12-16
ページ数 224
【目次(抜粋)】
●「貿易で巨万の富を得た」を素直に信じるのは子供だけ
●貿易で儲ける3条件
●いつの時代も「希少性」が歴史を動かす
●国内航路開発に隠された「真の目的」
●経営者が学ぶべき平清盛のすごさ
●貿易立国となるチャンスを逃した日本のその後
●日本経済最大のミステリー「宋銭普及」の謎
●銭をつぶせば救われる?末法思想がすべての始まり
●貨幣導入は清盛流の「景気対策」
●平安時代の消費者金融
●貨幣の歴史は「偽造」の歴史
●清盛をクーデターに駆り立てた4つの要因
●源平合戦の実態
●宋銭がまねいた”格差社会”
●謎の現象「銭の病」
●平安末期に激増した多額債務者
●富士川の戦い――逃げ出した平家の本当の姿
●平清盛最大の「失敗」とは・・・
記事は敬称略
良書発掘隊
本の紹介者
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4062174332/ref=cm_sw_r_tw_alp_0Gh4ob1WYFEMB
NHK平清盛の見どころ
NHK 平清盛